⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*  仙台市家庭教育支援チーム    杜の家せんだい   ★☆ メルマガ ☆★   2022年3月15日号 ⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒* 杜の家せんだいメルマガ会員の皆様 こんにちは! 今回のメルマガは「家庭教育ワンポ イントアドバイス」第103弾として 第7回セミナーで講師を担当された 徳田幸雄先生から頂いたメッセージ をご紹介致します。 ☆★−−−−−−−−−−−−−★☆ 《家庭教育ワンポイントアドバイス》 ●メッセージ  徳田 幸雄 先生 ●テーマ  出生率と宗教 ☆★−−−−−−−−−−−−−★☆ 現代の日本社会において最も差し迫っ た課題の一つが少子高齢化であること は間違いないでしょう。医療技術の進 歩や生活水準の向上によって寿命が伸 びたことは歓迎すべきだとしても、子 供の数が減っていることは大きな問題 です。とりわけ出生率の低下に歯止め がかからないことは深刻です。そこで、 この問題を海外に目を移してより広い 視点から考察してみたいと思います。 世界の出生率ランキングを見ますと、 アフリカのニジェールの6.8が第1位で、 それに続いてランキング40位くらい までアフリカ諸国がほぼ独占していま す。これには経済的貧困や医療・教育 の未発達といった原因が指摘されてお り、その出生率の高さをポジティブに 捉えることは難しそうです。そこでOE CD加盟34カ国の出生率に着目したいと 思います。そのベスト3とワースト3 は下記のとおりです。 1、イスラエル  3.01 2、メキシコ 2.1 3、トルコ 2.05 (28、日本 1.36) 32、イタリア 1.27 33、スペイン 1.24 34、韓国 0.91 ここで注目すべきはイスラエルの抜き ん出た高さでしょう(世界最下位とい う韓国の低さも気になりますが、ここ では深入りしません)。この高さの要 因にユダヤ教の影響を考えるのはごく 自然だと思います。メキシコ、イタリ ア、スペインはいずれもカトリックの 国ですが、宗教的行動にかなり違いが 見られます。メキシコでは人口の76 %がカトリック信者でその半数が毎週 教会へ通っているそうです。それに対 してイタリアやスペインでも約8割が カトリック信者を自覚しているものの、 その半数は年に数回しか教会に行って いないようです。ですから、イタリア やスペインでは人々の生活に対する宗 教の影響力はかなり限定的と言えそう です。この点を踏まえて言えば、宗教 が人々の習慣的行動に影響力を持って いるような国では出生率が高いという ことです。ちなみにトルコの主要な宗 教であるイスラームは、心の持ち方と いうよりも生活様式そのものであり、 ヒジャーブの着用や1日5回の礼拝、 豚肉のタブー、ラマダンの断食といっ た人々の習慣的行動を形成しています。 宗教と出生率との関係を裏付けるデー タをもう一つ紹介したいと思います。 それは、全米の出生率ランキングです。 民族別の出生率(2019年)は下記 のとおりです。 1、ヒスパニック 1.94 2、黒人 1.77 3、白人 1.61 4、アジア 1.51 アメリカのヒスパニックはメキシコ出 身の人々ですので、先述したメキシコ の出生率の高さを考慮すればこのラン キングには納得です。これに加えて州 別ランキングを見ますと、さらに面白 いことが明らかになります。なんと、 堂々の全米第一はモルモン教で知られ るユタ州(2010年で2.45)な のです。注目すべきことに、ユタ州は 人口の8割が白人であり、人口の6割 がモルモン教徒で占められます。要す るに、モルモン教徒の白人女性たちが、 全米一の出生率を叩き出しているので す。宗教の影響力がいかに大きいかを 物語っていると言えましょう。 以上から、どうやら出生率と宗教とは 深い関係がありそうです。こうした結 論が導かれたのも、私の専門分野が宗 教学であり、個人であれ社会であれ人 間の営みを宗教という切り口から見る 癖がついているからかもしれません。 しかし宗教が出生率に影響を与えてい ることは実際にデータによって裏打ち される事実です。もう少し踏み込んで 言いますと、恐らく一神教(ユダヤ教、 キリスト教、イスラーム)がもつ家庭 倫理(婚前交渉、浮気、不倫、同性愛、 中絶は悪であり罪である)が出生率を 高めているのでしょう。こうした保守 的な議論は、個人の自由や権利を全面 に出す近代以降のリベラル志向に逆行 するものと言え、少なくともネットも 含めた近年のメディアでは決して歓迎 されそうにありません。しかし、子育 てへの支援や手当といった施策が有効 な対策にならないなら、出生率の行き 過ぎた低下に歯止めをかけるには、一 夫一婦という一神教的な家庭倫理の確 立こそ、一見遠回りに見えながらも、 最も根本的な解決だと言えるのではな いでしょうか。 ☆★−−−−−−−−−−−−−★☆     次回講演会のご案内    ☆★−−−−−−−−−−−−−★☆ 次回のセミナーは今回実施したものと 同様にZoomを使用したオンライン(Web) 参加形式での開催を予定しております。 日程や内容等が決まりましたら、当メ ルマガ及びホームページにて告知致し ます。 ☆★−−−−−−−−★☆     編集後記 ☆★−−−−−−−−★☆ 皆様こんにちは 冬季北京パラリンピックも13日に閉幕 しました。 平和の祭典の最中の緊迫した世界情勢 は、とても違和感のあるものでしたね。 閉会式挨拶を行ったパーソンズ氏が 「重要なのは平和への希望(importa ntly hopes for peace)」と語った言 葉が戦争当事者に伝わる事を願うばか りです。 ☆★−−−−−−−−−−−−−★☆ ☆ ☆仙台市家庭教育支援チーム ☆ 杜の家せんだい ☆ http://morinoie.html.xdomain.jp ☆ ☆事務局 e-mail ☆ morinoiesendai@gmail.com ☆ ☆メルマガ登録/解除 ☆ http://www.mag2.com/m/0001681019.html ☆ ☆★−−−−−−−−−−−−−★☆